“ブラウジング・コンテキスト”とは?
“ブラウジング・コンテキスト(Browsing context)”は文書をユーザーに見せる環境のことを指します。新たにHTML5で定義された概念で、通常ブラウザのウインドウやタブはウェブページを表示するためのブラウジング・コンテキストを含みます。
“iframe”要素や文書を埋め込む“object”要素はその中にブラウジング・コンテキストを生成することができます。これらの要素によって生成されたブラウジング・コンテキストはブラウジング・コンテキストの中に生成されるブラウジング・コンテキストとなることから“入れ子にされたブラウジング・コンテキスト(nested browsing context)”と呼ばれます。
入れ子にされたブラウジング・コンテキストは親子関係になります。別のブラウジング・コンテキストをその中に内包しているブラウジング・コンテキストはその中にあるブラウジング・コンテキストの親もしくは上位のブラウジング・コンテキストと呼ばれます。反対に、中にあるブラウジング・コンテキストはそのブラウジング・コンテキストを内包しているブラウジング・コンテキストの子もしくは下位のブラウジング・コンテキストと呼ばれます。
ブラウジング・コンテキストが幾重にも入れ子になっている場合には子孫ブラウジング・コンテキスト、祖先ブラウジング・コンテキストといった呼び方もします。
親となるブラウジング・コンテキストがないブラウジング・コンテキストはそのブラウジング・コンテキスト自身とその子孫ブラウジング・コンテキストの“最上位のブラウジング・コンテキスト(top-level browsing context)”と言います。通常ブラウザのウインドウもしくはタブが直接含むブラウジング・コンテキストが最上位のブラウジング・コンテキストです。
それぞれのブラウジング・コンテキストはそのブラウジング・コンテキストが表示したことのある文書のリストであるセッション履歴を持ちます。
ブラウジング・コンテキストは固有のオリジンを持ち、ブラウジング・コンテキストが複数ある場合のブラウジング・コンテキスト間の通信は厳しく制限されます。