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HTMLの歴史

記事May 25th,2021
ウェブページのマークアップに使用されるHTMLのこれまで。

“HTML”のはじまり

HTMLの原型は欧州原子核研究機構(CERN)の計算機科学者だったティム・バーナーズ=リーによって1989年に考案されました。コンサルタントとして在籍していた彼はCERN内で進行中の研究や情報を数千人にも上る関係者の間で共有できるシステムの開発を命じられており、すべてのコンピュータが理解できる共通言語の必要性を感じて1990年に初めてこれを実装しました。彼は“World Wide Web(WWW)”をはじめとしてURLやHTTPといった現代のいわゆる“インターネット”の基礎となる技術の開発にも携わったことでも知られ、WWW上で共有できる文書を記述するための言語としてHTMLが生まれました。

そうして1990年12月20日に世界初のウェブサイトが公開されました。このウェブサイトはWWWのプロジェクトそのものについて記載したものでした。

1992年9月30日には日本初のウェブサイトも公開されました。このウェブサイトはCERNでWWWの普及を推進していたティム・バーナーズ=リーの要請で高エネルギー物理学研究所(KEK、現在の高エネルギー加速器研究機構)に設置されたサーバー上に置かれたもので、“KEK Information”の題でWWWについての情報や他の研究所のウェブサイトへのリンクなどが記載されたものでした。

なお、日本で最初のHTML文書は1992年2月にNTT基礎研究所で作成されたもので、日本国憲法を記述した文書でした。しかし、当時これはWWWに公開されたものではありませんでした。

原初のHTMLは“SGML文書”がベースとなっていましたが、当初は“文書型宣言(DTD)”もない比較的ゆるやかで簡潔なものでした。

この時のHTMLには今のHTMLにもある<a><p><h1>~<h6>なども含む20個あまりのタグが定義されています。

“HTML 1”とHTML 2.0

1993年4月30日にCERNがWWWを誰に対しても無償で開放することを発表したことや、テキストと画像を同一のウインドウ内に混在して表示させることができる最初のウェブブラウザである“NCSA Mosaic”がリリースされたことでWWWの利用は急激に増えていきます。

HTMLの利用の増加とともにブラウザが次々と新しいタグを定義するようにもなり、HTMLの標準化の議論が行われるようになりました。そうして最初の標準規格の草案である“Hypertext Markup Language (HTML)”がIETFによって公開されました。この仕様書はバージョン番号がありませんが、一般的には“HTML 1”と呼ばれます。

IETF(The Internet Engineering Task Force)”は各種インターネット技術の標準化を推進する為に設立された団体です。IETFによって策定された技術仕様は“RFC(Request For Comments)”として発行されます。

“HTML 1.0”は正式な技術仕様として発行されることはありませんでしたが、画像の埋め込みといった新たに普及しつつあった機能を取り入れつつ、DTDのあるSGMLとしての体系を整えたものでした。

その後IETFに新たに設けられたHTMLワーキンググループによって仕様が策定され、最初のHTMLの標準規格である “HTML 2.0”がRFC 1866として1995年11月24日に発行されました。当初この仕様では英語以外の言語を扱うことが想定しておらず、1997年のRFC 2070をもって初めてHTMLが国際化されました。

ブラウザ戦争とHTML 3.2

HTML 2.0のもとでのHTMLの開発は他の開発との競合から停滞していました。その結果1996年にHTMLの仕様策定はIETFからW3Cへ移りました。

W3C(World Wide Web Consortium)”はHTMLを考案したティム・バーナーズ=リーによって1994年に創設された“World Wide Web”で使用される各種技術の標準化を推進する為の団体です。

HTML 2.0が発行された1995年はMicrosoft Windows 95が発売されて一般の個人のインターネット利用が急速に広がり始めた年でしたが、それと同時にInternet Explore(IE)とNetscape Navigatorが熾烈なシェア争いを繰り広げるいわゆる“ブラウザ戦争”が勃発しました。この中で双方のブラウザが標準にはない機能や仕様を次々と取り入れたためにHTMLの互換性は大きく損なわれ、その結果多くのウェブサイトが閲覧する環境によって表示のされ方が変わってしまうという事態が起こります。

HTML 2.0の策定と同時にHTMLの次世代規格として“HTML 3.0”が策定されていました。HTML 3.0はフォームやテーブルなどを取り入れて構造や見た目の表現力を向上させた仕様でしたが、ブラウザ戦争のさなかで次々となされる新たな機能の提案で収拾がつかなくなり、結果的に廃案となってしまいました。

次にHTMLの標準規格となったのは1997年1月14日にW3Cによって勧告された“HTML 3.2”です。HTML 3.2にはInternet ExplorerやNetscape Navigatorによってそれぞれ独自に拡張されていったHTMLをできる限り取り入れて標準化したものとなり、<font><center>といった見栄えを整える機能も取り入れられました。

HTML 4.0

HTML 3.2はブラウザよって独自に拡張された機能を追認する形で策定されたため、完全とは言えないものでした。例えば、RFC 2070が反映されていなかったため英語以外の言語での記述にも対応しておらず、視覚ブラウザ以外への考慮がなくアクセシビリティの問題がありました。そこでHTMLの本来あるべき姿を検討してこれらの問題に対処した“HTML 4.0”がHTML 3.2の勧告の同年12月18日に早くも勧告されました。

HTML 4.0ではDTDにより3種類のバリエーションが定義されていました。

Strict DTD(厳密型)
仕様に厳密に従う必要があり、非推奨の要素や属性は使用できない。
Transitional DTD(移行型)
HTML 3.2から継承された非推奨の要素や属性が使用できる。
Frameset DTD(フレーム設定用)
Transitional DTDの機能に加えてフレームが使用できる。

また、見栄えを整える機能を取り入れたHTML 3.2は文書の構造を記述するための言語であるHTMLの本来あるべき姿から逸脱しており、1996年12月にはすでにCSSが勧告されてブラウザによる対応も始まっていたことからHTML 4.0ではそれらの機能の分離が行われました。HTML 3.2にあった装飾のための要素や属性は“非推奨”とされ、“Strict DTD”では使用できなくなりました。

CSS(Cascading Style Sheets)”は文書の見栄えと構造を分離するという目的で提唱されたスタイルシート言語。

さらに、HTML 4.0ではスタイルシートに加えてスクリプトの埋め込みにも本格的に対応しました。1995年にNetscape NavigatorにJavascriptが実装されてから徐々にウェブページでスクリプトが使用できるようになっていましたが、この頃から本格的に文書をスクリプトによって動的に変更できるようになり、“ダイナミックHTML(DHTML)”という概念も生まれました。1998年にはHTMLをスクリプトから操作するための仕組みであるDOMの標準仕様も勧告されています。

現代では表示された後のウェブページをスクリプトやCSSでユーザーの操作などによって動くようにすることは一般的になったので区別することはありませんが、この当時は静止したウェブページと区別して“ダイナミックHTML”と呼ぶことがありました。

HTML 4.0の勧告から2年後の1999年12月24日にはマイナーな修正を加えた“HTML 4.01”が勧告され、その後15年に渡ってHTMLの標準技術仕様であり続けました。

HTML5

1998年、W3CはSGMLからの移行を目的としてより簡素な“XML(Extensible Markup Language)”の仕様を勧告しました。そこで、HTMLについてもベースとなる技術をSGMLからXMLへ移行させることになり、HTML 4.0に続く次世代のマークアップ言語としてXHTMLを策定し、2000年1月26日に“XHTML1.0”の仕様を勧告しました。

W3Cはその後もXHTMLの開発に注力していきますが、この方針は(XHTMLでない)従来のHTMLの仕様の改訂を求めるウェブ業界のニーズとはかけ離れたものであったため、不満を持ったApple、Mozilla、Operaといったブラウザのメーカーは2004年にWHATWGを立ち上げ、独自に次世代HTMLの在り方を検討するようになります。

WHATWGが徐々に影響を強めていったことに加え、XHTMLの普及が進まなかったこともあってW3Cは2007年にHTMLの改訂を目的としたワーキンググループを立ち上げ、WHATWGが策定してきた仕様をベースにとてHTML5となるHTMLの改訂版を策定するようになり、2014年10月28日に15年ぶりの改訂版である“HTML 5”が勧告されました。

“HTML Living standard”

HTML5の策定においての仕様策定において一時協力関係になったW3CとWHATWGですが、方針の食い違いから2012年には別々に仕様を策定するようになり、WHATWGの仕様は“HTML Living standard”と名付けられました。

W3Cは2016年11月1日に“HTML5.1”、2017年12月14日に“HTML5.2”と改訂版を勧告していきますが、その間も2つの“標準”が併存する状態が続いてくことになります。

しかし、2019年になってようやくW3CがWHATWGが“HTML Living standard”を唯一の標準規格とするとして合意し、WHATWGによって日々更新される“HTML Living standard”が現行のHTMLの標準規格となりました。

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